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2021.01.29

着色料各論

色素各論 クチナシ赤色素

クチナシの果実の抽出物に酵素処理等を行うことで黄・青のほかに赤色成分を得ることができます。そのようにして得られたクチナシ赤色素は、ほかの赤色素に比べpHによる色調の変化が少なく、耐光性、耐熱性に優れており、コチニール・ラック色素の代替としても人気の色素となっています。そんなクチナシ赤色素の魅力に迫ります。

写真:クチナシ赤色素で着色した蒲鉾、マカロン

目次

1.クチナシ赤色素について
2.クチナシ赤色素の使用食品例と表示について
3.弊社製品のご紹介

1.クチナシ赤色素について

クチナシ(Gardenia jasminoides J. Ellis(Gardenia augusta Merr.))の果実から得られた、イリドイド配糖体のエステル加水分解物とタンパク質分解物の混合物にβ-グルコシダーゼを添加することで得られる色素です。

●製法

●他の赤色素の代替に有用
クチナシ赤色素のほかに、「ベニコウジ色素」、「アカビート色素」、「アントシアニン系色素」、「コチニール色素」、「ラック色素」などの赤色素があります。

◎安定性の比較

色素 耐光性 耐熱性 pHによる色調変化 由来
ベニコウジ色素 なし 植物性
アカビート色素 × なし 植物性
アントシアニン系色素 あり 植物性
コチニール色素
ラック色素
あり 動物性
クチナシ赤色素 なし 植物性

クチナシ赤色素は、熱及び光に対して比較的安定です。酸性下では沈殿を生じる恐れがありますが、ほかの赤色素に比べると、汎用性の高い色素となっていますので、幅広い食品への使用が可能です。

◎色調の比較

写真:(上段)水溶液への着色、(下段)牛乳への着色

クチナシ赤色素 ベニコウジ色素 アカビート色素 アカキャベツ色素 コチニール色素

pH 3.0

pH 7.0

醗酵乳(pH 4.2)

2.クチナシ赤色素の使用食品例と表示について

クチナシ赤色素はパン、菓子、乳製品やゼリーなど幅広い食品で使用されています。

●食品への表示例

クチナシ赤色素  クチナシ色素  着色料(クチナシ) 等

●使用食品例

スポンジケーキ
小麦粉、鶏卵、砂糖、バター/膨張剤、香料、着色料(クチナシ赤色素)、(一部に卵・小麦を含む)
ゼリー
果糖ぶどう糖液糖、砂糖/ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、香料、クチナシ色素、ビタミンC、(一部に乳成分を含む)

3.弊社製品のご紹介

品名 性状 特徴
KCレッド KL-7 液体 従来よりも青みや暗みが少ない色調

ご質問やサンプルのご用命がありましたらこちらからお問い合わせください。

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