Development Column

トウガラシ色素は、タレやソース等の調味料をはじめ菓子や水産加工品など幅広い食品に使用される天然着色料です。
その市場規模は、カラメル色素の次に多いと言われています。
今回はそんなトウガラシ色素を特集した記事となっております。

目次

トウガラシ色素とは
トウガラシ色素製品ラインナップ
食品への着色例

 

トウガラシ色素とは

トウガラシ色素は、名前の通りナス科のトウガラシやパプリカの果実を基原原料として、
主成分のカプサンチン類を抽出したもので、食品では赤橙～橙の色を得ることができます。
赤みが強く、果肉や辛みイメージに最適です。

　

トウガラシ色素は熱に対する安定性に優れており、調味液、キムチ、米菓、ゼリー、チョコレート、水産加工品など幅広い食品に使用できます。
またpH変動による色調変化はありません。
光に対してやや不安定な点に注意が必要ですが、酸化防止剤の添加で改善します。

●pHの違いによる色調

●光安定性試験

●食品への表示例 トウガラシ色素、パプリカ色素、カロチノイド色素、着色料（カロチノイド）　等

⇒詳細はこちら「色素各論　トウガラシ色素」

また、トウガラシ色素には特有の濃度表記があります。
国際的にはMSD-10、SIU、ASTA unitなどの方法を用いて、SCU、CU、CVなどの単位で規格化されています。
日本ではMSD-10法によるCV表記が慣例的に使われることがあります。
このCVは色価（E10%）から換算して求めることができます。

換算式　：　CV=色価(E10%）×66

例えば、色価(E10%)が1,515のトウガラシ色素をCVで表すと、約100,000 CVとなります。

 

トウガラシ色素製品ラインナップ

トウガラシ色素は油溶性の色素であり通常は水に不溶ですが、乳化技術によって水に分散させて着色することが可能です。
弊社では高い乳化技術によって、高力価・赤みが強いなど様々な特徴をもった乳化製剤を取り揃えております。

品名	性状	特徴
ＫＣオレンジ ＰＥ－Ｓ	液体	ポピュラーなパプリカ色素製剤です。 菓子、パン、麺、デザート等にご使用いただけます。
ＫＣオレンジ ＰＥ－１２３	液体	高力価のため、少量添加で濃く着色できます。 耐酸性・耐塩性にも優れている製品です。
ＫＣオレンジＰＥ－ＡＧ	液体	耐塩性に優れているため、塩分濃度が高い食品におすすめです。
ＫＣオレンジ ＰＥ－ＥＮ	液体	特殊製法によって赤みが強い色調を呈します。（特許出願中） 水着色で赤～赤橙色、乳着色でピンク色となります。
ＫＣオレンジ ＰＰ－２	粉末	耐塩性に優れている粉末製剤です。 粉末調味料、粉末飲料、フライ用バッター等におすすめです。
ＫＣオレンジ ＰＯ－９９	液体	高濃度品のため、製剤向け原料に最適です。 フライ用バッター、香料・色素複合製剤等におすすめです。

 

食品への着色例

赤橙～橙色を呈すので、果肉（みかん、メロンイメージ）や辛みイメージに最適です。

ゼリー	カラー麺	クッキー生地
ＫＣオレンジ ＰＥ－Ｓ　0.05% または ＫＣオレンジ ＰＥ－１２３　0.025%	ＫＣオレンジ ＰＥ－Ｓ　0.2% または ＫＣオレンジ ＰＥ－１２３　0.1%	ＫＣオレンジ ＰＥ－Ｓ　0.8% または ＫＣオレンジ ＰＥ－１２３　0.4%

 

バラコ	キムチ	チョコレート
ＫＣオレンジ ＰＥ－Ｓ　1.0% または ＫＣオレンジ ＰＥ－１２３　0.5%	ＫＣオレンジ ＰＥ－Ｓ　0.3% または ＫＣオレンジ ＰＥ－１２３　0.15%	オレオレジンパプリカ10000CV　1.0%

 

カニカマ	タレ
ＫＣオレンジ ＰＥ－ＥＮ　5%（着色液）	ＫＣオレンジ ＰＥ－ＥＮ　0.5%

 

今回ご紹介したものは一部のトウガラシ色素製剤です。上記以外にも取り揃えておりますので、色素選定にお悩みの際はお声がけください。

ご質問やサンプルのご用命がありましたら、こちらからお問い合わせください。