2023.07.12
抹茶が変色する原因・解決策を徹底解説!緑色の着色食品紹介
季節商品に人気な抹茶食品。その抹茶を使用した際に問題となるのが、抹茶の変色です。
抹茶、ピスタチオ、マスカット、よもぎ等、緑色の食品は人気があり、特に春先の定番商品となっています。しかし抹茶などの緑色の素材をそのまま使用するといつの間にか褐変してしまった、という経験をされた方は多いのではないでしょうか。今回は褐変の原因とその解決法についてご紹介いたします。
抹茶等の退色の原因とその解決策
抹茶やほうれん草などの緑色は「クロロフィル」によるものです。クロロフィルは植物の中で比較的安定に存在していますが、植物から抽出されると不安定な状態となります。特に光や酸化などの影響を受けると、クロロフィルの構造が変化して褐変を引き起こし、退色感が強くなります。
写真:抹茶が光照射により褐変する様子(抹茶粉末 2%添加)
光照射前 | 光照射後(蛍光灯下、12時間後) |
そこで着色料を抹茶の補色として使用することで、緑色の色調を維持することができます。
また抹茶の使用量も抑えられるためコストダウンにもつながります!
写真:抹茶+着色料を添加した際の色調の変化
(抹茶粉末1%+KCグリーン CG-1(クチナシ黄色素(クロセチン)・クチナシ青色素)0.5%)
光照射前 | 光照射後(蛍光灯下、12時間後) |
抹茶だけでなく、青汁系スムージーの退色にも補色としてご採用いただいております。
緑色色素製剤のご紹介
単独で緑色を呈する天然由来の色素は、不安定な「クロロフィル」のみとなっています。そのため、一般的には「青色素」と「黄色素」を混色して調整した着色料製剤が緑色色素として使用されます。
色素の組み合わせによって色調が異なるのはもちろん、黄色と青色の比率(吸光比*)を調整することで、様々な色調の緑色をラインナップしております。
*吸光比:黄色価/青色価
黄色色素 | ベニバナ黄色素 | クチナシ黄色素 (クロシンタイプ) |
クチナシ黄色素 (クロセチンタイプ) |
ベニコウジ黄色素 |
色調 |
混色の製剤では、使用する色素の組み合わせによって性質や特徴を引き継ぎます。青色素であるスピルリナ色素は熱や光によって不安定な性質を持つため、弊社ではクチナシ青色素をベースとした緑色製剤をご用意しております。
⇒ 色素各論 にて、各色素の性質や特徴を詳しく解説しております。
グリーン着色料ラインナップ
先述の通り、多様な緑色製剤を取り揃えております。今回は採用実績のある食品をピックアップしてご紹介いたします。
●ベニバナ黄色素+クチナシ青色素
ベニバナ黄色素は耐酸性に優れているため、酸性食品でも使用できます。
食品への表示例:ベニバナ黄色素、クチナシ青色素
品名 | 食品名/添加量 | 特徴 |
KCグリーン CL-20 | 魚卵/0.5% |
黄みの強い鮮やかなグリーンの水溶性着色料です。「抹茶」や「マスカット」のイメージで和洋菓子、冷菓等に多くご採用いただいております。 写真は海ブドウイメージです。 |
KCグリーン CL-26 | グミ(pH3.3)/0.1% |
青みの強い鮮やかなグリーンの水溶性着色料です。「メロン」のイメージで和洋菓子、冷菓等に多くご採用いただいております。 |
KCグリーン CO-57 | チョコ/1.0% |
黄みの強い鮮やかなグリーンの油溶性着色料です。「抹茶」や「メロン」のイメージでチョコレートに、キャラクターイメージで水産加工品等にご採用いただいております。 |
●クチナシ黄色素+クチナシ青色素
クチナシ黄色素は色伸びがよく、発色に優れています。
食品への表示例:クチナシ黄色素、クチナシ青色素 クチナシ色素
品名 | 食品名/添加量 | 特徴 |
KCグリーン KL-13 | 胡瓜漬け(pH3.8)/0.7% |
黄みの強いグリーンの水溶性着色料です。主に「抹茶」のイメージで和洋菓子等にご採用いただいております。 ※酸性域によっては沈殿を生じる場合がございますのでご相談ください。 |
KCグリーン No.6 | せんべい/0.2% |
青みの強いグリーンの水溶性着色料です。主に「ほうれんそう」や「ヨモギ」のイメージで和洋菓子等にご採用いただいております。 写真はあおさイメージです。 |
KCグリーン CG-1 | 上:クリームチーズ 下:セミハードチーズ /各0.3% |
黄みの強い鮮やかなグリーンの水溶性着色料です。焼き菓子など加熱条件でも綺麗に発色し、主に「抹茶」や「マスカット」のイメージで和洋菓子等にご採用いただいております。 |
KCグリーン CG-2 | 麺/0.8% |
青みの強い鮮やかなグリーンの水溶性着色料です。焼き菓子など加熱条件でも綺麗に発色し、主に「メロン」のイメージで和洋菓子等にご採用いただいております。 写真は茶そば(翡翠麺)イメージです。 |
その他、ベニコウジ黄色素+クチナシ青色素を使用した緑色色素製剤も取り揃えております。
本記事では紹介しきれなかった着色見本品も、お役立ち資料にてより詳しくご紹介しております。
ご質問やサンプルのご用命がありましたら、こちらからお問い合わせください。
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