2021.01.26
色素各論 ラック色素
ラック色素はコチニール色素と同様に動物性の色素なので敬遠されがちですが、耐熱性、耐光性に非常に優れており、要加熱食品や店頭に並べ光があたる食品にも用いやすい色素となっております。またコチニール色素よりもやや青みの強い鮮明なピンク色を呈します。そんなラック色素についてご紹介します。
目次
1.ラック色素について
2.ラック色素の使用食品例と表示について
3.弊社製品のご紹介
1.ラック色素について
カイガラムシ科ラックカイガラムシ(Laccifer lacca KERR)の分泌する樹脂状物質より、室温時~熱時水で抽出して得られたものです。
基原原料 | カイガラムシ科ラックカイガラムシの分泌する樹枝状物質 |
主成分 | ラッカイン酸 |
製法 | ラックカイガラムシの分泌する樹脂状物質から温水、熱水などで色素を抽出。 |
●ラック色素の色調と構造
色素成分 | ラッカイン酸 |
構造 |
写真:各pHでの着色及び牛乳への着色
pH 3.0 | pH 5.0 | pH 7.0 | 牛乳 |
●特徴
ラック色素は熱・光に対し非常に安定性が高く、鮮明なピンク色を呈する色素です。pHで色調が異なり、酸性で赤橙色、中性で赤色、アルカリ性で赤紫色になります。タンパク質と混合すると紫色に変色してしまいますが、ミョウバンやリン酸塩などの色調安定剤を配合することで安定した色調を呈します。
色調安定剤なし | 色調安定剤あり | |
小麦粉への着色 | ||
牛乳への着色 |
2.ラック色素の使用食品例と表示について
ラック色素は菓子、あん、ベーコン、ソーセージ、麺、水産加工品、ジャムなど様々な食品に使用されます。
●食品への表示例
ラック色素、着色料(ラック)等 |
●使用食品例
いちごパン |
小麦粉、イチゴフラワーペースト、砂糖、ショートニング、脱脂粉乳、イースト、食塩/乳化剤(大豆由来)、着色料(ラック)、保存料(ポリリシン)、 香料、ビタミンC |
ベーコン |
豚ばら肉、卵たん白(卵を含む)、水あめ、食塩、砂糖/リン酸塩(Na)、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、ラック色素 |
3.弊社製品のご紹介
品名 | 性状 | 特徴 |
KCレッド L | 粉末 | 色調安定剤を配合。 |
KCレッド No.3L | 液体 | 中性域で赤色、酸性域でオレンジ色を示す。 |
ご質問やサンプルのご用命がありましたらこちらからお問い合わせください。
この記事に関する品目
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コチニール色素
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コチニール色素
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ベニコウジ色素
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ベニコウジ色素
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