2021.01.23
色素各論 カロチン色素
カロチノイド色素(カロテノイド色素)に分類されるカロチン色素(カロテン色素)は、生体内でビタミンAの前駆体であるプロビタミンAとして働くことが知られています。ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持、視覚の暗順応(暗い場所で目が慣れる)、成長の促進などに関与する重要な栄養素です。そのため、色素としての用途以外でも利用されています。そんな「カロチン色素」についてご紹介いたします。
目次
1.カロチン色素について
2.カロチン色素の使用食品例と表示について
3.弊社製品のご紹介
1.カロチン色素について
●カロチン色素の種類
食品添加物の着色料として主に使用されるカロチン色素の種類は、「β-カロチン」と「抽出カロチン」に大きく分類されます。
β-カロチン | 指定添加物に分類。合成法及び発酵法で得られる。 β-カロチンの構造 |
抽出カロチン | 既存添加物に分類。 アブラヤシの果肉から得られるパーム油由来のパーム油カロチン、藻類のデュナリエラから得られるデュナリエラカロチン、ニンジンの根から得られるニンジンカロチンなどがある。 |
写真:水及び乳での着色
β-カロチン 水 |
β-カロチン 乳 |
抽出カロチン 水 |
抽出カロチン 乳 |
β-カロチンは抽出カロチンに比べると安価で赤みの強い色調を呈します。
また抽出カロチンにも3種類あり、それぞれα-カロチン、β-カロチンの割合が異なっていて、β-カロチンの割合が多いほど赤みの強い色調になります。
●特徴
カロチン色素は油溶性の色素であり、通常は水に不溶ですが乳化という分散技術を施すことにより水に分散し、着色することができます。熱に対する安定性に優れており、濃厚さをイメージさせる温かみのある黄色に着色できます。光に対して不安定な面もありますが、ビタミンCやビタミンEなどの酸化防止剤を使用することで改善します。
2.カロチン色素の使用食品例と表示について
カロチン色素は、洋菓子や卵製品、ゼリー、プリン等に使用されています。
●食品への表示例
例)β-カロチンの場合
カロテン色素、カロチノイド色素、着色料(β-カロチン)、着色料(カロチノイド) 等 |
例)抽出カロチンの場合
カロテン色素、カロチノイド色素、着色料(抽出カロチン)、着色料(カロチノイド) 等 |
●使用食品例
バームクーヘン |
卵、砂糖、小麦粉、植物油脂、アーモンドパウダー、水あめ/乳化剤、膨張剤、着色料(カロチン) |
プリン |
乳製品、カラメルシロップ、砂糖、植物油脂、生乳、食塩/ゲル化剤(増粘多糖類)、香料、乳化剤、酸味料、カロテン色素、ビタミンC |
3.弊社製品のご紹介
品名 | 性状 | 特徴 |
KCオレンジ BE-15S | 液体 | β-カロチンの乳化分散品。 |
KCオレンジ YE-3S | 液体 | パーム油カロチンの乳化分散品。 |
KCオレンジ YE-9 | 液体 | パーム油カロチンの乳化分散品。耐塩性タイプ。 |
KCオレンジ YO-5 | 液体 | パーム油カロチンの油性品。 |
ご質問やサンプルのご用命がありましたらこちらからお問い合わせください。
この記事に関する品目
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トウガラシ色素
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アナトー色素
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