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26th January 2021

開発コラム

着色料の基礎知識①~なぜ着色料は使われるのか?~

そもそも着色料はなぜ使われるのでしょうか。今回は着色料の基礎知識として着色料の意義を3つの役割に分けてまとめさせていただきました。

文化的な風習を担う役割

日本ではピンクと白のいかにもおめでたい紅白まんじゅうや、健やかな成長を願う意味があるカラフルなひなあられ、金運アップを願った黄金色の栗きんとんなど、お祝い事や行事において食品を色づける風習があります。

米国でも独立記念日にアメリカ国旗をイメージした赤白青のカップケーキやポップコーンなどが街で販売されるそうです。

色鮮やかな食品によって、お祝い事を一層華やかに、記憶に残るものにしているように思います。こうした文化的な風習にのっとった着色も着色料の役割の一つです。

写真左:紅白饅頭 写真右:おせち料理の栗きんとん

ハロウィンのジャックオーランタンをイメージした黒とオレンジのお菓子や、SNSでのフォトジェニックを意識したカラフルな食べ物も新たな文化的な風習として、社会に根付いていくことが予想されます。

食品の品質維持の役割

保存・加工する際にかかる熱や酸化による影響により、食品の変色や退色は避けられない現象です。例えば抹茶などに含まれる緑色のクロロフィルは酸化に弱く、短期間で緑色から茶色に変色してしまう性質があります。こういった見た目の変化は食品としての品質を大きく低下させてしまいます。

また、野菜や果物といった食品原料の色合いは季節などにより変動が大きいことがあります。これは含まれる色の成分が栽培される時期や環境によって変化するためです。

こうした色の変化を補い、食品の色調を一定にする効果が着色料にはあります。

保存前 保存後(露光条件)
着色料での補色品
無着色品

上表:抹茶製品での補色効果

イメージによる食欲増進の役割

1959年に米国の心理学者R.L.HALLが色を変えたシャーベットの味を当てるという試食実験を行いました。オレンジフレーバーのシャーベットをイメージ通りのオレンジ色に着色したところ、99%の正答率だったのに対し、無着色で47%、紫色で21%となり、風味とは異なる色に着色した場合、正答率が半分以下になるという結果だったそうです。見た目のイメージと味がいかに結びついたものであるかを物語った実験かと思います。

写真:無着色のゼリー

また、ターメリックで黄色く色ついたカレーやトウガラシで真っ赤なキムチのように元々は殺菌や風味付けなど別の目的で加えられたものであっても、その色が時とともに食品と切り離せないイメージを形成し、「おいしそう」と感じる食欲と直結しているものも多いです。

 

現在食品業界で注目を集める大豆などの植物を原料とした「植物肉」「フェイクミート」でも、牛肉の生肉の赤や焼いた後の茶色イメージに近づけるために着色料が用いられています。

ビヨンドミート原材料・調査レポート 植物肉開発にオススメ製品(ビート抽出物、果汁といった表記がされています)

着色見本イメージ 植物肉(大豆たんぱく)

見た目を通してイメージを想起させ、「おいしそう」だと直感してもらうことも着色料の役割です。

最後に

着色料は「食品を美化し魅力をますため、食品の着色を目的に使用される食品添加物をいう」と定義されています。

欧米人は鼻、日本人は目で食欲を感じると言われています。ユネスコ無形文化遺産に登録された日本料理においても赤、青、黄、白、黒の五つの色彩を取り入れる「五色」は調理法・味付けである「五法」「五味」と並べて日本料理の基本要素とされています。食品の見た目を重視するのは日本における重要な文化といえるかもしれません。

着色料はこれらの役割を通して、商品の魅力アップに貢献しています。

着色料の基礎講座②~天然着色料とは~
着色料の基礎講座③~色価・色調~
着色料の基礎講座④~添加物製剤とは~
着色料の基礎講座⑤~着色料の退色について~
着色料の基礎講座⑥~pHによる色の変化について~

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